東国剣記

東国の剣豪、武芸、中世軍記、そのほか日本の合戦諸々について扱うブログです。

『平家物語』の二刀流

【『平家物語』の二刀流・補】行家や義貞が二刀を用いるとしない『平家物語』『太平記』の異本

これまでの【『平家物語』の二刀流】では『延慶本』や『覚一本』などの『平家物語』において源行家が二刀流で戦う場面があることや、それに関連して『太平記』において新田義貞が二刀を用いる場面があることを紹介しました。 しかし『平家物語』の一部語り本…

【『平家物語』の二刀流②】『延慶本平家物語』源行家の二刀流剣術(後)

前回は『平家物語』諸本の中でも古態を多く残すという評価のある『延慶本平家物語』において、平家滅亡後に鎌倉方から追われる身となった源行家が、捕縛のため派遣された常陸房昌命を相手に右手に三尺一寸の太刀、左手に鍔のない太刀を持つ二刀流剣術で戦い…

【『平家物語』の二刀流①】『延慶本平家物語』源行家の二刀流剣術(前)

二刀流剣術と言えば一般的にはその代名詞とされる宮本武蔵の例など戦国時代以降の技術とイメージされることが多そうですが、『平家物語』諸本を見る限り、鎌倉時代に遡り得るか、遅くとも室町前期には発想の存在した戦闘方法であることもわかります。その戦…