東国剣記

東国の剣豪、武芸、中世軍記、そのほか日本の合戦諸々について扱うブログです。

刀剣

【薙刀】薙刀の文献上の初出は?(後) 1040年『春記』の例はなぜ不確実な初見とされるのか 及び中世「刀」と呼ばれた短い刀剣と平安時代の「長刀(なががたな)」について

薙刀の初見に関する続きです。前回は久安6年(1150年)~平治元年(1160年)に編纂された『本朝世記』の久安2年(1146年)3月9日の記事を引き、『世界大百科事典』のいう薙刀の初見を確認しました。今回は近藤好和氏の『弓矢と刀剣』にある以…

【薙刀】薙刀の文献上の初出は?(前)

薙刀と言えば槍が普及する以前の武士の長柄武器の代表格です。その文献上の初出がいつかということについて今回確認してみたいと思います。まずは薙刀の初見についての情報及びその出典を見てみましょう。 https://kotobank.jp/word/%E8%96%99%E5%88%80-8573…

【刀剣】『北条五代記』関東長柄刀流行の傍証となる軍役文書?

後北条氏の遺臣・三浦浄心は『北条五代記』で、かつて戦国時代関東の若い輩の間で、柄を長く拵えた刀が流行したことを記しています。それは書かれた時代でいうところの鍵槍のように流行したものですが、この時代の人々の感覚では珍奇に見えたであろう刀のよ…